2013年3月23日土曜日

美輪明宏さんの憲法改悪解剖論。 岩波ブックレットより。



「前略 しかもアメリカが作ったというのはありがたいことです。アメリカは自分達が作った憲法だから、日本に戦争をけしかけてくるわけにはいかない。彼らは手も足も出せない、自縄自縛なのです。

それを知っているから、今、アメリカは憲法9条を解きたくてしようがない。幽霊が『そこのお札はがしてくれー、はがしてくれー』という話と同じです。憲法9条を変えようとしている政治家たちは、それに気がついていないのです。

9条を改悪する必要なんてありません。

ヨーロッパでは政治家や評論家というものは、 中略 落ち着いていて知性的。勇気と胆力、やさしさと思いやりがある。

ところが日本はまるで逆です。今の政治家は戦時中の軍人と同じです。そういう連中が、憲法改正、改正と言って、また日本を戦争にひきずりこもうとしている。彼らこそ非国民です。

鎖国の時代でもないのに、こんなに日本が戦争にひきずりこまれることなくこられたのは、 中略 それは憲法に守られてきたからです。

中略

いいじゃありませんか、自分の夫が、ボーイフレンドが、わが子が、孫が、家に帰ったら赤紙一枚で出征させられて、それは死を約束されているわけですからね。

また戦時中と同じように、日本中が老人と女子供だけになればいいんです。自分の恋人を殺して、子供を殺して、孫を殺して、さぞかし満足でしょうよ。

みんな、全部他人のことだと思っているから平気でいられるのです。与党や野党の一部を支持している人たちはみんな、男たちのいない世界を作りたいのね。

私がどれだけ悲劇を見てきたか…。

中略

みんな戦争の正体をしらなさすぎます。」